TOP Page
はじめに−とうちゃんが綴った−由宇斗物語ゆうと〜母の思い〜
遥かな世界|ゆうとの病気|アルバムあとがき

ゆうとの病気

その前に、心臓ってどんな形?どんなことをしているの?ということのおさらいです。
心臓は全身から戻ってきた血液を肺に送ったり、肺から戻ってきた血液をまた全身に送り出すポンプのようなものです。
図のように心臓の右心房で受けて右心室に送り、そこから肺動脈を通って肺に送られ、ここで二酸化炭素と酸素を交換します。
酸素を取り入れた血液は肺静脈より左心房に入り、左心室を経て大動脈から全身に送られることになります。
生まれつき心臓に障害がある場合には、広く先天性心臓疾患と言われます。実際には十数種類の病気があるようです。
その中で一般的に多いとされているのは、心室中隔欠損、心房中隔欠損のように心臓の左右を分ける壁に穴がある場合のようです。
ゆうとの場合は、この心室中隔欠損と心房中隔欠損の両方の心内膜床欠損でした。
正確には穴が開いているというより、上下に壁が少しあるだけで、中心には何もない状態とのことでした。

この左と右が繋がっていると、どうなるのでしょうか。
この場合、肺から戻ってきた血液が右側に流れ込んでしまいます。そうなると本来全身に回るはずの血液が減って、右心室からまた肺へ流れるという小さな循環を、繰り返すことになってしまいます。
その結果、心臓の負荷が増えて心臓肥大となり、心不全の危険性も高まります。
また、肺に大量な血液が流れることで、肺高血圧となってしまいます。肺高血圧が続くと肺自体の機能も低下してしまいます。
さらに、心内膜床欠損では、上下を分ける三尖弁や僧帽弁も正常に形成されていないため、逆流も起こってしまいます。
このように、血液循環がうまくいかないために、心臓はもちろん他の臓器にも悪影響を及ぼすことになります。

治療方法は、手術による外科的処置しかないようです。
簡単にいうと、人工物にて左右を分け、弁を切ったり縫ったりすることで修復することのようです。
それを1回の手術で行う場合と、初めに肺に血液量を減らすために、肺動脈を狭める手術を先に行う場合の2つ方法があります。
ゆうとは後者の方法の予定でした。
心臓にメスを入れるということは、やはりリスクが高いため、できるだけ成長した後の方がいいからです。

またゆうとはこの心内膜床欠損の他に、心臓カテーテル検査にて大動脈狭窄も見つかりました。



Copyright (c) 2004 ゆうとっぴ All Rights Reserved.